レンタルオフィスの選び方|失敗しないためのポイントや意外な落とし穴を徹底解説!

働き方の多様化が進む現代、レンタルオフィスは通勤負担の軽減や生産性向上のための有効な選択肢となっています。特に従業員の通勤時間が長い企業にとって、各地域に拠点を設けることは大きなメリットとなるでしょう。
しかし、自社に適したレンタルオフィスを選ぶことは簡単ではありません。この記事では、企業の人事・総務担当者の方向けに、最適なレンタルオフィス選びのポイントを詳しく解説していきます。
レンタルオフィスの選ぶ際に見るべきポイント13選

企業の働き方改革や拠点戦略において重要な役割を果たすレンタルオフィス。しかし、数多くの選択肢の中から自社に合ったオフィスを選ぶには、様々な観点からの検討が必要です。
以下では、レンタルオフィスを選ぶ際に特に重視すべき13のポイントについて詳しく解説します。
立地・アクセスの良さ
レンタルオフィスを選ぶ際、最も優先すべき点の一つが「立地とアクセスの良さ」です。従業員にとって通勤しやすい場所であることはもちろん、取引先との打ち合わせなど外部との接点を考慮すると、駅から徒歩10分以内の場所が理想的です。
通勤時間が短いほど従業員の満足度と生産性が向上する傾向にあります。また、周辺の飲食店や商業施設の充実度も、従業員の利便性に直結します。通勤経路の選択肢が複数あることも、災害時などの事業継続性の観点から重要なポイントとなるでしょう。
ビルのグレードや清潔感
オフィス環境は企業イメージに直結するため、ビルのグレードや清潔感は重要な選定基準となります。特に顧客を招いて商談を行う機会が多い業種では、ビルの外観や共用部の印象が取引に影響することも少なくありません。
一般的に、ビルは「Aグレード」「Bグレード」などとランク分けされており、築年数や設備、管理状態などでグレードが決まります。また、清掃が行き届いているかどうかは、実際に見学して確認することが大切です。
トイレや廊下、エレベーターホールなどの共用部分の状態をチェックしましょう。オフィスビルの清潔感は、企業イメージだけでなく従業員のモチベーションにも影響するため、見落とせないポイントです。
設備・サービス内容
レンタルオフィスの設備やサービス内容は、業務効率に直結する重要なポイントです。基本的なインターネット環境(有線・無線LAN)はもちろん、コピー機やプリンター、シュレッダーなどのOA機器の有無も確認しましょう。
近年では、Web会議に対応した防音ブースや、リフレッシュスペース、カフェスペースなどを備えたレンタルオフィスも増えています。
また、郵便物の受け取りや取り次ぎサービス、秘書サービスなどの付加価値も要チェックポイントです。充実した設備・サービスを持つオフィスでは従業員の満足度が高くなる傾向にあります。
料金とコストパフォーマンス
レンタルオフィスの料金体系は一般的に、固定費(月額利用料)と変動費(会議室利用料やコピー代などのオプション料金)に分かれます。月額料金には基本的に光熱費や通信費が含まれていることが多いですが、細かい条件は運営会社によって異なります。
料金比較の際は、単純な月額料金だけでなく、実際の利用シーンを想定した総コストで判断することが重要です。例えば、会議室を頻繁に使う予定がある場合は、会議室利用料が無料または安価なプランの方がトータルコストでお得になることもあります。
また、初期費用(入会金、保証金など)についても確認が必要です。都心部のレンタルオフィスは郊外と比べて一般的に料金が高くなりますが、立地によるメリットとのバランスを考慮して選択しましょう。

柔軟な契約条件
ビジネス環境の変化に対応するためには、契約条件の柔軟性も重要なポイントです。一般的なレンタルオフィスの最低契約期間は1ヶ月〜1年とされていますが、運営会社によって大きく異なります。
特にスタートアップ企業や成長過程にある企業では、短期間で人員が増減する可能性があるため、最低契約期間が短く、解約通知期間も短いレンタルオフィスが理想的です。
また、契約途中での面積拡張や縮小、レイアウト変更が可能かどうかも確認すべきポイントです。多くの企業が契約の柔軟性をレンタルオフィス選びの重要な判断基準としています。
入居者の雰囲気
同じビル内に入居している他社の業種や企業カルチャーは、日常的な業務環境に大きく影響します。特に、個室ではなくオープンスペースで働く形態の場合は、周囲の入居者との相性が重要です。
例えば、静かな環境で集中して作業したい業種の場合、営業電話が多い業種が周囲にいると業務に支障をきたす可能性があります。可能であれば、実際の業務時間帯に見学して雰囲気を確認することをおすすめします。
また、入居企業間の交流イベントを定期的に開催しているレンタルオフィスもあり、新たなビジネスチャンスにつながる可能性もあります。入居者間の交流がある環境では、ビジネスチャンスが生まれやすくなると言われています。
セキュリティ体制
企業にとって情報セキュリティは非常に重要な問題です。レンタルオフィスを選ぶ際は、建物や専有部分へのセキュリティ対策がしっかり施されているかを確認しましょう。具体的には、ビルのエントランスやフロアへの入退室管理システム(ICカードやテンキー認証など)、防犯カメラの設置状況、24時間有人警備の有無などがチェックポイントとなります。
また、情報セキュリティの観点からは、Wi-Fi環境のセキュリティレベルや、専用回線の導入可否なども重要です。特に顧客情報や機密情報を扱う企業は、物理的なセキュリティも含めた総合的な対策が推奨されています。情報漏洩の多くは物理的なセキュリティ不備も一因となりうるため、この点は特に慎重に確認しましょう。
法人登記や住所利用の可否
レンタルオフィスを契約する際、その住所を法人登記に使用できるかどうかは重要なポイントです。すべてのレンタルオフィスが法人登記を許可しているわけではありません。特にバーチャルオフィスやコワーキングスペースでは、住所利用のみ可能で登記不可という場合もあります。
また、郵便物や宅配便の受け取りサービスの有無、転送サービスの内容も確認しておきましょう。法人登記可能なレンタルオフィスの場合、登記手数料や月額の住所利用料が別途発生することもあるため、契約前に詳細を確認することが重要です。
信頼性の高い住所を持つことは、取引先からの信用獲得にも繋がるため、業種や事業フェーズに応じて慎重に選択しましょう。
受付対応の有無・質
レンタルオフィスの受付サービスは、企業イメージや業務効率に大きく影響します。特に取引先や顧客が頻繁に訪問する業種では、プロフェッショナルな受付対応が企業の第一印象を左右します。
受付スタッフがいる場合は、来客対応の質、言語対応(英語など)の可否、電話対応サービスの有無などを確認しましょう。
また、一部のレンタルオフィスでは、受付スタッフによる秘書代行サービス(スケジュール管理、予約代行など)も提供しています。これらのサービスは特に少人数のオフィスや、バックオフィス機能を最小限に抑えたい企業にとって大きなメリットになります。受付サービスの質が高いレンタルオフィスは顧客満足度の向上にも寄与します。
営業時間
レンタルオフィスの営業時間は、業務スタイルや働き方に合わせて選ぶことが重要です。24時間365日利用可能なレンタルオフィスもあれば、平日の9時〜18時などビジネスアワーのみ利用可能な施設もあります。特に時差のある海外取引が多い企業や、柔軟な働き方を推進している企業では、時間制限のないレンタルオフィスが適しているでしょう。
また、営業時間外の入退室方法や、空調・照明の利用可否なども確認が必要です。フレックスタイム制やリモートワークを導入している企業では、24時間利用可能なレンタルオフィスを選択する傾向があります。
ただし、24時間対応のオフィスは月額料金が割高になる傾向があるため、実際の利用頻度と照らし合わせて判断することが大切です。
個室スペースや会議室の有無・稼働率
レンタルオフィスを選ぶ際は、個室スペースや会議室などの専用スペースの有無と、その稼働状況を確認することが重要です。特にオープンスペース型のレンタルオフィスでは、機密性の高い打ち合わせや集中作業のための個室の利用可能性が業務効率に直結します。
会議室の予約システム(オンライン予約の可否など)や利用料金体系、キャンセルポリシーなども事前に確認しておくべきポイントです。
また、実際の稼働率も重要な判断材料となります。いくら設備が整っていても、常に満室で予約が取れない状況では業務に支障をきたします。見学の際には、会議室の予約状況を聞いてみたり、実際に使用している様子を見たりすることで、稼働率の実態を把握しましょう。人気のレンタルオフィスでは会議室の予約が取りにくいケースもあります。
オフィスの拡張性
ビジネスの成長や縮小に合わせて柔軟に対応できるオフィスの拡張性は、特にスタートアップや成長企業にとって重要なポイントです。従業員数の増加に備えて、同じビル内や運営会社内でより広いスペースへの移行が可能かどうか、または逆に縮小する際のダウングレードオプションがあるかを確認しましょう。
一部のレンタルオフィス運営会社では、会員企業の成長に合わせて拡張できるプランを提供しており、契約期間中でも追加料金なしでオフィススペースの変更が可能な場合もあります。
特に事業拡大のフェーズにある企業では、今後3〜5年の事業計画を考慮したオフィス選びが重要です。スタートアップ企業は創業から数年以内にオフィススペースの拡張を必要とすることが多いため、あらかじめ検討しておくと安心です。
運営会社の信頼性
レンタルオフィスの選定において、運営会社の信頼性は長期的な視点で非常に重要です。運営年数や管理物件数、利用企業の口コミ評価などを調査し、安定した運営基盤があるかどうかを判断しましょう。
また、運営会社の財務状況や親会社の有無なども、長期利用を検討する場合は確認すべきポイントです。過去に突然閉鎖したレンタルオフィスの事例もあり、そのような場合、テナント企業は短期間での移転を余儀なくされるリスクがあります。特に法人登記や重要な取引先との窓口として利用している場合、運営会社の安定性は事業継続に直結します。業界大手や不動産会社が運営するレンタルオフィスは、比較的安定性が高いとされていますが、サービス内容や料金体系も含めて総合的に判断することが大切です。
【ケース別】自社にあったレンタルオフィス選びのポイント
企業の成長ステージや業種によって、最適なレンタルオフィスの条件は大きく異なります。ここでは、様々なケースに応じたレンタルオフィス選びのポイントを詳しく解説します。自社の状況に最も近いケースを参考に、優先すべき条件を明確にしましょう。
起業・スタートアップ期におすすめのオフィス選び
起業したばかりやスタートアップ期の企業にとって、コスト効率と柔軟性が最も重要なポイントとなります。この時期は資金繰りが厳しく、また事業の方向性や規模が短期間で変化する可能性が高いため、初期費用が低く、月額コストも抑えられるレンタルオフィスを選ぶことが賢明です。
具体的には、共有オフィスやコワーキングスペースから始めて、事業の成長に合わせて個室プランにアップグレードできる施設がおすすめです。
また、最低契約期間が短い(1〜3ヶ月程度)プランを選ぶことで、事業状況の変化に柔軟に対応できます。さらに、起業期には人脈形成も重要なため、入居者同士の交流イベントが定期的に開催されているレンタルオフィスも検討価値があります。スタートアップ企業の多くが初期段階でレンタルオフィスを活用しており、その柔軟性と低コストが評価されています。
リモートワークメインの企業のレンタルオフィス選び
リモートワークを主体とする企業では、常時全員が出社する必要はないため、オフィスの役割を明確にしたうえで選定することが重要です。このような企業にとってレンタルオフィスは、定期的なミーティングや重要なクライアントとの商談、チームビルディングなどの場として機能します。
したがって、会議室や打ち合わせスペースが充実していること、予約の柔軟性が高いことが重要なポイントとなります。また、全国各地または海外にも拠点を持つレンタルオフィスチェーンを選べば、従業員が居住地近くのオフィスを利用できるため、通勤負担の軽減につながります。
さらに、時間課金制やドロップイン利用が可能なプランも、リモートワーク主体の企業には適しています。多くのリモートワーク導入企業が、従来のオフィススペースを縮小し、必要に応じて利用できるレンタルオフィスを併用する「ハイブリッドオフィス戦略」を採用しています。
士業・コンサル系に適したレンタルオフィス選び
弁護士、税理士、公認会計士などの士業やコンサルタント業の場合、クライアントとの機密性の高い打ち合わせが多いため、プライバシーとセキュリティが確保されたレンタルオフィスを選ぶことが重要です。個室タイプのプライベートオフィスや、防音設計された会議室など、利用しやすい施設が適しています。
また、クライアントの来訪が多いため、アクセスの良さやビルのグレード、受付サービスの質も重要な選定基準となります。特に高級感のあるビルや一等地にあるレンタルオフィスは、専門性の高いサービスを提供する士業には大きなメリットとなります。
さらに、法律や会計関連の専門書籍を備えたライブラリースペースがあるレンタルオフィスや、同業者が多く入居している施設では、情報交換や協業の機会も生まれやすいでしょう。独立開業する士業の多くがレンタルオフィスを活用しており、初期投資の抑制と信頼性の確保を両立させています。

クリエイティブ職・IT系に適したレンタルオフィス選び
デザイナーやエンジニアなどのクリエイティブ職やIT系企業の場合、インスピレーションを刺激する空間デザインと高速かつ安定したインターネット環境が重要なポイントとなります。開放的なデザインのオフィスや、リラックスできるラウンジスペース、24時間利用可能な施設などが適しています。
また、大容量データのやり取りや、クラウドサービスを多用する業種では、ギガビット級の高速回線や、専用回線の導入可否も確認すべきポイントです。さらに、同業者や関連業種の企業が多く入居しているレンタルオフィスを選べば、情報交換やコラボレーションの機会も増えるでしょう。
一部のレンタルオフィスでは、3Dプリンターやレーザーカッター、撮影スタジオなどのクリエイティブ設備を備えた施設もあり、業務の幅を広げることができます。多くのITスタートアップが柔軟な働き方を支援するレンタルオフィスを活用しており、創造性の向上と人材確保に効果を上げています。
地方拠点・支社として使いたい場合のレンタルオフィス選び
本社とは別に地方拠点や支社としてレンタルオフィスを活用する場合、本社との連携のしやすさが重要なポイントとなります。Web会議設備が充実していること、安定した高速インターネット環境があること、時差のある地域での利用の場合は24時間利用可能であることなどがチェックポイントです。
また、支社としての機能を果たすためには、郵便物や宅配便の受け取りサービス、電話対応サービスなどのバックオフィス機能も重要です。地域によっては、地方自治体が運営する格安のレンタルオフィスやインキュベーション施設もあり、地域の情報やネットワークを得やすいというメリットもあります。
さらに、全国チェーンのレンタルオフィスを選べば、契約手続きの一元化や、各拠点間の移動時に他拠点を利用できるなどの利点もあります。多くの企業が地方拠点としてレンタルオフィスを活用しており、初期投資を抑えながら地方展開を進める効果的な手段となっています。
一等地でブランド力を高めたい企業向けのレンタルオフィス選び
企業イメージやブランド力の向上を目的としている場合、一等地にある高級感のあるレンタルオフィスを選ぶことが効果的です。東京であれば丸の内、日本橋、赤坂、六本木などのプレステージの高いエリアのビルが該当します。
こうした立地のレンタルオフィスは月額コストが高くなりますが、住所を名刺やホームページに記載するだけでも企業の信頼性やステータスが向上します。特に対面での商談や顧客訪問が重要な業種では、アクセスの良さと来訪者への印象も重要な要素です。
一等地のレンタルオフィスの多くは、高級感のあるエントランスや応接スペース、プロフェッショナルな受付サービスを備えており、顧客対応の質を高めることができます。
また、周辺環境も充実していることが多く、取引先との会食や接待にも便利です。一等地のオフィス住所を持つことで、企業の問い合わせ数や成約率が向上するという効果も期待できます。
外国人や海外企業との取引が多い企業のレンタルオフィス選び
グローバルビジネスを展開している企業や、外国人スタッフが多い企業では、国際対応力のあるレンタルオフィスを選ぶことが重要です。具体的には、英語対応可能な受付スタッフがいること、英語を含む多言語対応の案内表示があること、外国人でも利用しやすい環境であることなどがチェックポイントとなります。
また、時差のある海外とのやり取りが多い場合は、24時間利用可能な施設が適しています。国際空港や主要駅からのアクセスの良さも、海外からの来訪者にとって重要な要素です。一部のハイグレードなレンタルオフィスでは、通訳サービスや翻訳サービス、海外企業の日本進出支援などの付加価値サービスを提供している場合もあります。
また、外資系企業が多く入居しているレンタルオフィスでは、国際的なビジネスネットワークを構築する機会も得られるでしょう。日本に進出する外資系企業の多くが初期段階でレンタルオフィスを活用しており、迅速な事業立ち上げに効果を上げています。
事前に確認すべきレンタルオフィス選びの落とし穴

一見理想的に思えるレンタルオフィスでも、実際に利用してみると想定外の問題に直面することがあります。
ここでは、レンタルオフィス選びでよくある落とし穴とその回避方法について解説します。事前に確認することで、後悔のないオフィス選びを実現しましょう。
周辺の環境・雰囲気がイメージと違う
レンタルオフィスの内部環境だけでなく、周辺環境も業務効率や従業員の満足度に大きく影響します。写真やWebサイトで見た印象と実際の雰囲気が異なる場合も少なくありません。例えば、繁華街に近いオフィスでは夜間の騒音や治安の問題があったり、ビジネス街でも飲食店が少なく昼食の選択肢が限られていたりすることがあります。
また、駅からの距離は近くても、坂道や複雑な道のりの場合は実際の負担感が異なります。こうした問題を避けるためには、必ず実際に足を運んで見学することが重要です。可能であれば、平日の就業時間帯に訪問し、周辺の飲食店の混雑状況や通勤ラッシュの様子なども確認しましょう。Googleマップのストリートビューや口コミサイトで周辺情報を調査することも有効です。多くのレンタルオフィス利用者が「周辺環境の想定外の問題」を契約後のデメリットとして挙げています。
共用スペースがある=「使いやすい」わけではない
多くのレンタルオフィスでは、ラウンジやカフェスペース、商談スペースなどの共用エリアが魅力的にアピールされています。しかし、こうした共用スペースの存在だけで判断すると、実際の使い勝手で失敗することがあります。
例えば、スタイリッシュな共用ラウンジがあっても、常に満席で利用できなかったり、騒がしくて集中作業には不向きだったりする場合があります。
また、無料の会議室やブースが設置されていても、予約が取りにくかったり、時間制限が厳しかったりすることも。こうした問題を避けるためには、見学時に共用スペースの実際の利用状況を確認し、平均的な混雑度や予約方法、利用制限などの詳細を質問することが大切です。
可能であれば、実際の利用者の声を聞くことも参考になります。共用スペースの利用のしやすさは、入居者満足度を左右する大きな要因の一つとなっています。
一部サービスが有料オプションである
レンタルオフィスのWebサイトやパンフレットでは、充実したサービス内容がアピールされていますが、実際には基本料金に含まれず、追加料金が必要なオプションサービスも少なくありません。例えば、インターネット回線の高速プラン、会議室の利用、コピー機やプリンターの使用、電話対応サービスなどが有料オプションとなっていることがあります。
こうした追加費用が積み重なると、当初想定していた予算を大幅に超えてしまう可能性があります。この落とし穴を避けるためには、契約前に「基本料金に含まれるサービス」と「オプション料金が必要なサービス」を明確に区別して確認することが重要です。
また、実際の業務で必要となる全てのサービスを洗い出し、総コストを試算してから判断することをおすすめします。多くのレンタルオフィス利用者が、想定外のオプション料金の発生を経験しています。
エレベーターの数が少ない
ビルの設備の中でも、特に見落としがちなのがエレベーターの数と稼働状況です。高層ビルでエレベーターの数が少ない場合、朝の出勤時間帯や昼休みの時間帯に長時間待たされることがあります。これは単なる不便さだけでなく、クライアントとの約束時間に遅れるなど、ビジネスにも悪影響を及ぼす可能性があります。
また、荷物の搬入出が多い業種では、貨物用エレベーターの有無や利用条件も重要なポイントです。この問題を避けるためには、見学時に必ずエレベーターの数と配置を確認し、可能であれば朝の混雑時間帯に訪問してみることがおすすめです。
ビルによっては、セキュリティ対策としてエレベーターにカードキーが必要な場合もあり、来客対応の手間も考慮する必要があります。オフィス入居者の不満の上位に「エレベーターの待ち時間」が入っており、満足度に影響する重要な要素とされています。
サポート体制が万全でない
レンタルオフィスの魅力の一つは、オフィス運営に関する様々なサポートを受けられることですが、そのサポート体制の質と範囲は運営会社によって大きく異なります。例えば、IT関連のトラブル対応が遅い、夜間や休日のサポートがない、スタッフの対応が不親切、クレーム処理が適切に行われないなどの問題が生じることがあります。
特に重要な商談や締切を控えている時のトラブルは、ビジネスに直接影響します。こうした問題を避けるためには、契約前にサポート体制の詳細(対応時間、対応範囲、緊急時の連絡先など)を確認しておくことが重要です。
また、現在の入居者の評判や口コミを調査したり、試用期間がある場合は実際のサポート対応を体験してみたりすることもおすすめです。「スタッフの対応の質」が総合評価を左右する最も重要な要素の一つとなっています。
まとめ
レンタルオフィスは、働き方の多様化や通勤負担の軽減に効果的なソリューションですが、自社に最適な選択をするためには様々な観点からの検討が必要です。立地やアクセスの良さ、ビルのグレード、設備やサービス内容、コストパフォーマンス、契約の柔軟性など、基本的なチェックポイントを押さえることが重要です。
また、業種や企業規模、成長段階によって優先すべきポイントも異なるため、自社のニーズを明確にした上で選定を行いましょう。
最終的には、複数のレンタルオフィスを実際に見学し、担当者への質問を通じて詳細を確認することが、後悔のないオフィス選びの鍵となります。自社の働き方改革や生産性向上につながるレンタルオフィス選びを実現し、従業員の通勤負担を軽減しながら、効率的なビジネス環境を構築しましょう。