バーチャルオフィスで起業・法人登記できる!初めてでも安心の完全ガイド

起業の第一歩として住所選びにお悩みではありませんか?
実はバーチャルオフィスを使えば、自宅住所を公開せず、低コストで一等地の住所を使った法人登記が可能です。
この記事では、バーチャルオフィスでの起業方法や注意点、メリット・デメリットを徹底解説します。これから起業を考える方必見の情報満載です!
バーチャルオフィスで起業する際に法人登記できる
バーチャルオフィスとは、実際に入居はせずにオフィスの住所や電話番号を借りられるサービスです。法人登記をするためには事務所の住所が必要になりますが、一部の業種を除きバーチャルオフィスの住所を事務所の住所として利用できます。
取引上必要になる住所や電話番号だけを格安な費用で借りられるため、初期費用を抑えたい起業家にとって魅力的な選択肢となっています。ただし、バーチャルオフィス選びの際は必ず法人登記可能かどうかを事前に確認することが重要です。一部のサービスでは登記不可の場合もあるため、契約前にしっかりと確認しましょう。
バーチャルオフィスで起業できないケース
バーチャルオフィスは多くの起業家にとって便利なサービスですが、利用できないケースもあります。法律や契約上の制限により、特定の状況下ではバーチャルオフィスでの起業が難しい場合があるため、事前に確認しておくことが重要です。
以下では、バーチャルオフィスで起業できない主な2つのケースについて詳しく解説します。同一住所での商号の問題と、業種による制限について理解しておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
同一住所に同一屋号の企業が存在するケース
バーチャルオフィスでは多くの企業が同じ住所を使用するため、既に同じ屋号や類似した商号の企業が登記されている場合は新たに登記できないことがあります。会社法上、同一住所での同一または類似商号の登記は制限されており、法務局で却下される可能性があります。
同一住所に同一商号(社名)の会社がある場合は、法人登記ができません。また、完全に同じ商号でなくても、同一住所に類似した商号の法人登記は認められないことがあります。そのため、バーチャルオフィスを契約する前に、管轄の法務局で既に類似した社名の会社が登記されていないか確認することが大切です。確認方法としては、法務局のホームページや「登記ねっと」などのオンラインサービスを利用することをおすすめします。
バーチャルオフィスで法人登記ができない業種のケース
特定の許認可が必要な一部の業種においてはバーチャルオフィスの利用や登記ができない場合があります。例えば、貸金業、不動産業、古物商、旅行業、建設業、飲食業、風俗営業などの許認可が必要な業種については法人登記できない場合もあるため、注意が必要です。
一部の業種では、実体のある事業所が必要とされています。例えば、職業紹介業は厚生労働大臣の許可が必要であり、申請の際に実体のある事業所が必要です。また、貸金業では開業時に20平方メートル以上の事業所やオフィスと契約している必要があるため、物理的な実体のないバーチャルオフィスでは要件を満たすことができません。
開業予定の業種がバーチャルオフィスで登記可能かどうか不明な場合は、バーチャルオフィスを契約する前に、管轄の法務局や担当省庁のホームページで確認するか、直接バーチャルオフィスの運営会社に問い合わせることをおすすめします。
バーチャルオフィスで起業するメリット6つ
バーチャルオフィスを利用した起業には、多くのメリットがあります。特に初期コストの削減や一等地での住所取得など、これから事業をスタートさせる起業家にとって魅力的なポイントがたくさんあります。
ここでは、バーチャルオフィスで起業する際の6つの主要なメリットについて詳しく解説します。
初期コストを大幅に抑えられる
起業初期や小規模事業者にとって一等地のオフィスを借りることは大きな負担となりますが、バーチャルオフィスであれば低料金で一等地の住所の使用が可能です。実際のオフィスを借りる場合と比較すると、敷金・礼金や内装工事費、家具・備品の購入費用などの初期投資が不要となります。また、月々の家賃も通常のオフィスに比べて格段に安く、光熱費などのランニングコストも発生しません。
バーチャルオフィスサービスによっては、法人登記対応の住所貸しと、郵便物転送が月額1000円未満で利用できる格安プランも存在します。起業時の資金を営業活動やサービス開発など、事業の成長に直結する分野に集中投資できるのは大きなメリットです。
一等地の住所をビジネスに活用できる
バーチャルオフィスは都心の一等地に法人登記できます。特に立ち上げ期は事業実績がないからこそ、住所の信用性が重要となります。取引先や金融機関に対して信頼性の高いビジネスイメージを得やすくなります。
起業して間もない時期には、知名度や実績が十分でないため、事業所の住所もブランディングの手段となります。一等地や業態に合った住所のバーチャルオフィスを利用することで、顧客や取引先に対して高い信用度を示し、取引に繋がりやすくなる可能性があります。例えば、東京の銀座や渋谷、大阪の梅田など、ビジネス街に住所を持つことで、会社の信頼性やイメージを向上させることができます。
プライバシーを守りながらビジネスできる
レンタルオフィス・バーチャルオフィスの住所で法人登記をすることで、自宅住所の開示を避けることができます。法人になれば、登記情報は公開情報となるため、自宅住所を使用すると個人のプライバシーが守られなくなります。また、オンラインでの商品販売では、販売者の氏名・住所・電話番号の記載が特定商取引法で義務付けられています。こうした情報開示の際にもバーチャルオフィスの住所を利用することで、個人のプライバシーを保護できます。
さらに、自宅を法人登記する場合、訪問者やダイレクトメールなどが自宅に届くことになり、プライバシーやセキュリティ上の問題が生じる可能性があります。バーチャルオフィスを利用することで、そうしたリスクを回避し、公私の境界を明確に保つことができます。
柔軟な働き方に対応できる
働き方が多様になった現代では、カフェや旅行先、出張サービスなど一定の場所で仕事をしない方も増えています。バーチャルオフィスは、こうした多様な働き方をサポートする理想的なサービスです。実際のオフィスに縛られることなく、自宅やコワーキングスペース、カフェなど、働きやすい場所で業務を行うことができます。
バーチャルオフィスがあれば、移動や出張が多く事務所作業が少ないスタイルのビジネスや、一定の働く場所を持たないノマドワークも、効率的な運営が可能です。また、地方在住でありながら都心の住所を持つことができるため、地理的な制約を超えたビジネス展開も可能になります。特にリモートワークが一般化した現在、実際のオフィスの必要性が低減している業種にとっては最適な選択肢といえるでしょう。
起業までのスピードが速い
バーチャルオフィスを利用すれば、実際のオフィスを探して内装工事を行うといった手間や時間が不要になるため、スピーディーに起業を進めることができます。最短即日利用できるバーチャルオフィスもあるため、今すぐバーチャルオフィスを利用したいという方にもオススメです。
起業のスピードアップは、ビジネスチャンスを逃さないためにも重要です。バーチャルオフィスなら契約後すぐに住所を使用できるため、法人登記から銀行口座開設、営業許可の申請などの起業手続きをスムーズに進めることができます。また、住所変更の手続きも比較的簡単なため、事業の成長に合わせて柔軟に対応できるのも魅力です。
管理業務の負担を軽減できる
バーチャルオフィスは、郵便・電話転送、秘書代行、会議スペースの貸し出しなど、必要な機能だけを選んでコストをかけられる点もメリットといえます。実際のオフィスを維持するための清掃や設備管理、セキュリティ対策などの管理業務から解放されるため、本業に集中できる環境が整います。
特に法人登記完了後に法務局から発行される登記簿謄本(登記事項証明書)や印鑑証明書などの重要書類、および税務署やその他の行政機関からの通知文書の受取代行サービスを提供するバーチャルオフィスもあります。これにより、重要書類の受け取り漏れや紛失のリスクを減らし、事務処理の効率化を図ることができます。
バーチャルオフィスで起業するデメリット3つ
メリットがある一方で、バーチャルオフィスで起業する際には注意すべきデメリットも存在します。実際の物理的なオフィスを持たないことによる信用面の課題や、機能の制限など、事前に理解しておくべき点があります。
以下では、バーチャルオフィスで起業する際の3つの主なデメリットについて解説します。
実態がないとみなされるリスクがある
バーチャルオフィスを利用する際のデメリットの1つは、他の企業と住所が重複することです。住所を検索した際に多くの企業が表示されると、信頼性に影響を及ぼす可能性があります。特に、法人登記や公的な書類に同一住所を使用する場合、他の企業との住所重複は問題となることがあります。
取引先や顧客がバーチャルオフィスの住所に訪れることを想定した方が良いでしょう。雑居ビルの違う会社名が表示されているフロアに訪れるよりは、レンタルオフィスの住所の方が実態を感じ得ます。特に重要な取引先との商談や、融資の審査の際には、実態のないオフィスであることが明らかになると信用を失う可能性があります。
また、バーチャルオフィスを本店所在地として利用する場合、法人登記は可能でも、会社の銀行口座を開設する際の審査に通過できない可能性があります。近年、金融機関は実態の確認を厳格化しており、バーチャルオフィスのみを拠点とする企業に対しては審査が厳しくなる傾向があります。
オフィス機能が限定される
バーチャルオフィス住所では、作業スペースや打ち合わせスペースが利用できないことが多いです。別途コストがかかる可能性があります。実際に業務を行う場所や、取引先との打ち合わせ場所を別途確保する必要があるため、結果的にコストが増加する可能性があります。
多くの場合、一等地に所在しており、名古屋市内を例にあげても、新しくできた名駅のビルや栄の中心街などで住所を借りることができます。ただし、バーチャルオフィスを訪ねてみると、漫画喫茶ほどのブースが設けられており、時間毎の予約を取って少しだけ作業スペースとして提供してくれるところもあります。しかし、専用のオフィススペースがないため、長時間の作業や複数人でのミーティングには不向きな場合が多いです。
また、郵便物や電話の対応も基本的なサービスに含まれていないことが多く、オプションサービスとして追加料金が発生する場合があります。事業の成長に伴い、実際のオフィス機能が必要になった場合、別途レンタルオフィスやコワーキングスペースを利用する必要があるでしょう。
登記制限・契約制限がある場合がある
バーチャルオフィスでの起業は原則として可能ではあるものの、場合によっては登記ができないことがあります。前述のように業種によっては実態のあるオフィスが必要とされる場合があり、バーチャルオフィスでは登記が認められないことがあります。
また、バーチャルオフィス運営会社が倒産したり廃業したりした場合には、レンタルしている住所を返却しなければならず、本店移転をしなければならないリスクがあります。本店所在地を変更する場合、法務局での変更登記をはじめ、各種契約先への住所変更通知、印刷物の差し替えなど、多くの手続きと費用が発生します。
さらに、健康保険組合の場合、一部の組合はバーチャルオフィスの新規加入を認めていません。これは、バーチャルオフィスは実態のない住所でも登録できる性質を持つことにより、実態の証明が難しいためです。社会保険などの手続きで制限がかかる可能性があることも念頭に置いておく必要があります。
自社にあったバーチャルオフィスの選ぶポイント
バーチャルオフィスは数多く存在し、それぞれサービス内容や料金体系、立地などが異なります。自社のビジネスに最適なバーチャルオフィスを選ぶためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。ここでは、バーチャルオフィスを選ぶ際の5つの重要なチェックポイントについて解説します。これらのポイントを参考に、長期的な視点で自社に最適なバーチャルオフィスを選びましょう。
住所のブランド力と立地条件を確認する
バーチャルオフィスは日本各地にあり、ビジネスオーナーや個人事業主が自由に選ぶことができます。ただし、取引先や顧客から見たビジネスの信用性を意識するなら、ビジネス街などにあるバーチャルオフィスを選択することもビジネスのイメージ作りに貢献します。
業種や取引先によって最適な立地は異なります。例えば、IT関連なら渋谷や六本木、金融関連なら丸の内や大手町、アパレル関連なら表参道や青山など、業界のイメージに合った地域を選ぶことでブランド力をアップさせることができます。また、取引先との打ち合わせのしやすさや、交通アクセスの良さも重要な選定基準です。
住所のブランド力は会社のイメージに直結するため、自社のターゲット層やビジネスモデルに合った立地を選ぶことが重要です。特に起業初期は、実績やブランド力が乏しいため、住所のブランド力で補うことができます。
法人登記・許認可対応の可否をチェックする
バーチャルオフィスで起業する場合、法人登記ができることは第一条件になるでしょう。そもそもバーチャルオフィスでの起業ができない事業もありますし、バーチャルオフィス自体も運営会社によっては登記が認められていないこともあります。契約前に必ず法人登記が可能かどうかを確認しましょう。
また、法人登記だけでなく、許認可申請においてもバーチャルオフィスの利用が認められる場合があります。ただし、バーチャルオフィスの住所では許認可が受けられない業種もあるため、事前に条件を確認するようにしてください。事業内容によっては特定の許認可が必要な場合があり、バーチャルオフィスの住所で申請可能かどうかも重要なチェックポイントです。
特に人材派遣業の方も多くいらっしゃるのですが、そういった事業内容だと、バーチャルオフィスでは認可がおりないようです。一般派遣業、有料職業紹介などで起業を考えて先にバーチャルで契約してしまったものの、許認可がおりなかった為に再度拠点探しをし直す事になってしまい非常に大変だったという事例もあります。事前に慎重な確認が必要です。
郵便物転送・電話代行などの付帯サービスを比較する
バーチャルオフィスは単なる住所の貸し出しだけでなく、さまざまな付帯サービスを提供しています。郵便物の受け取りや転送、電話代行、FAX受信など、事業運営に必要なサービスが含まれているかどうかを確認することが重要です。
バーチャルオフィスは、郵便・電話転送、秘書代行、会議スペースの貸し出しなど、バーチャルオフィスが提供している機能の中から必要なものだけを選んでコストをかけられる点もメリットといえます。各サービスの料金体系や利用条件を比較し、自社のニーズに合ったサービスを選びましょう。
特に重要なのは郵便物の取り扱いです。管理画面にて届いた郵便物を写真で確認することができるためテレワークで事務所が不要となった企業にも人気です。このような便利なサービスが付帯しているバーチャルオフィスを選ぶと、業務効率が高まります。また、重要な郵便物の転送頻度や転送方法、電話応対のクオリティなども事前に確認しておくとよいでしょう。
会議室や作業スペースの利用環境を確認する
バーチャルオフィスは基本的に住所や電話番号のみを提供するサービスですが、多くのサービスでは会議室や作業スペースをオプションで利用できる場合があります。事業の性質上、取引先との打ち合わせや、チームでの作業が必要な場合は、こうした付帯設備の有無や利用条件を確認することが重要です。
法人登記が可能で、月に数日のみオフィスを使いたい方におすすめです。電話転送や郵便物の受け取りなど、事務代行サービスも利用できるプランもあります。バーチャルオフィスだけでなく、シェアオフィスなど多彩なプランが用意されていると尚良いでしょう。
契約期間・解約条件・料金体系をしっかり確認する
バーチャルオフィスを選ぶ際には、契約期間や解約条件、料金体系をしっかりと確認することが重要です。バーチャルオフィスの料金形態は「定額料金制」と「従量課金制」の2種類です。定額料金制では毎月決まった料金を支払った上で、バーチャルオフィスで利用できるサービスを全て利用できる料金形態です。従量課金制は、住所や電話番号などの基本的なサービスのみ利用可能で、他のサービスは必要に応じて追加で料金を支払うことで利用できる料金形態です。
初期費用、月額料金、契約期間、解約手数料などの条件を複数のサービスで比較し、長期的な視点でコストパフォーマンスを検討することが大切です。特に起業初期はコスト管理が重要なため、必要最低限のサービスで始め、事業の成長に合わせてサービスをアップグレードできる柔軟な料金体系のバーチャルオフィスを選ぶとよいでしょう。
現在では月額1,000円程度から利用できる非常にリーズナブルなサービスも増えていますので、複数のサービスを比較検討することをおすすめします。コストだけでなく、サービス品質やサポート体制なども含めて総合的に判断しましょう。
まとめ
バーチャルオフィスは、実際に入居せずに住所や電話番号を借りることができるサービスで、起業時の法人登記にも利用できる便利なツールです。初期コストの削減や一等地の住所の利用、プライバシーの保護など、多くのメリットがあります。特にリモートワークが主流となった現在、柔軟な働き方を実現するバーチャルオフィスの需要は高まっています。
一方で、実態がないとみなされるリスクや、オフィス機能の制限、業種によっては登記できないケースもあるなど、いくつかのデメリットも存在します。自社のビジネスモデルや将来の成長プランに合ったバーチャルオフィスを選ぶためには、住所のブランド力、法人登記の可否、付帯サービスの内容、会議室の利用環境、契約条件などを慎重に比較検討することが重要です。
バーチャルオフィスを利用することで、起業の初期コストを抑えながらも信頼性の高い住所を持ち、事業に集中できる環境を整えることができます。事業内容や将来の展望に合わせて、最適なバーチャルオフィスを選び、効率的な起業を実現しましょう。